幼なじみは狐の子。2
支度をした宗介と恋はスーパーへ向かった。
二人で歩いていくと、空は快晴で、暑いくらいだ。
飛行機雲が頭上に白い線をつけている。
滑り台のある公園を通り過ぎながら、宗介が言った。
「そうそう、そういえば、恋。高校は、知り合いの理事に口を利いて貰って同じところに入るからな。」
「ええっ」
恋はびっくりして声を上げた。
「だって、宗介の行く学校はトップ校でしょう。逆立ちしたって入れないよ。」
宗介は腕組みをした。
「大丈夫。もう話はつけてある。懇意にしてる親戚が居るから、絶対に恋を僕の行くところに入学させて貰う。高校で浮気してお前が離れることがないように。」
「……勉強についていけないよ。」
「別に平気、僕が教えるから。大体、お前は全然しないからできないの。ちゃんとやれば最低限はできる。ちゃんとやる。」
歩きながら宗介は言った。
「単元別に中学のから始めて、順番にやって間に合うようにすれば、トップ校のビリ位には落ち着くだろ。別に成績上げろって言ってない。それで充分なんだから。怯まないでこれから始める。将来の僕達2人のために。いいね?。」
「……。」
まっすぐ自分を見下ろした宗介に、恋はたじたじで、うーん、と頭を抱えた。