幼なじみは狐の子。2
朝、学校に行く時宗介が先へ行ったと聞いて、恋はまずちょっとショックを受けた。
昨日の事は誰も知らないはずだったが、宗介がそうなのには、いつも何かしら理由がある。
恋は、行きたくないと思いながらも、制服のリボンを結んで、鞄を持って家を出た。
学校。
恋が教室に着くと、宗介はもう着いていた。
宗介は恋を見てちょっと首を傾げると、開口一番こう聞いた。
「恋、まさかとは思うけど、昨日樋山の家なんかに行ったりしてないだろうな?」
「えっ……」
恋が硬直して思わず䄭風の方を見ると、聞いていた䄭風はちょっと覗き込む様にして、いきなり聞いた。
「新田さん、僕と付き合ってくれる気になった?」
「ならないよ」
恋は困り顔で宗介に聞こえる様に言った。
「どうしてもならない?」
「ならないったら」
宗介はそれを無視していたが、ふと、䄭風はニコっと笑った。
「あ、そう。それなら。昨日は楽しかったね、新田さん。」
「!」
澄まし顔の䄭風に、宗介の表情が変わった。
「昨日って?」
宗介は恋を睨んでいたが、ふいに、目を逸らした。