幼なじみは狐の子。2
日曜の朝。
恋は、家のリビングで自然公園に行こうか行くまいかまだ迷っていた。
ここで行ってしまうと、もしバレないにしても宗介を裏切る事になる。
宗介は、恋が浮気をすると、目を吊り上げて怒ったし、最低でも一発は打った。
────樋山くんが泣く。
恋が気になるのは、䄭風の涙だった。
泣くほど悲しく自分の事を思ってくれているのかもしれない䄭風に、恋は報いたい気もする。
宗介に怒られるのとどっちが良いか、と聞かれたら恋は迷ったが、恋は、友達を泣かせてはいけないような気がしていた。
着替えを済ませると、恋は、結局鞄を持って、自然公園に向かった。