幼なじみは狐の子。2
「恋は、待ってって言わないでそのまま上野くんと別れちゃったんだ」
教室。
恋が理央と明日香に宗介の事を相談すると、理央が言った。
「もったいないよ。せっかく幼稚舎からのペアなのに。」
「浮気しながら付き合うなら、付き合わない方が良いと思うな。女子に評判悪いもん。」
恋は、困った顔で二人を見た。
振られた、というのは自分がもう相手に取って必要ない、という意味で、もう一切の関係は終わり、という事になるのかもしれない。
恋は、今まで宗介とばかり居たので、宗介が恋を無視しだすと、すぐにひとりぼっちになってしまった。
「ちゃんと謝ると良いよ。上野くん、きっと未練凄いから。謝って許して貰いなよ。」
「その時は浮気はもう絶対なしだよ。樋山くんにもきちんと言って、関わらないようにしなきゃ。」
「どうしても浮気しちゃうなら、恋言い訳考えな。樋山くんのせいにすると良いよ。」
「それじゃあ樋山くんに悪いよ。私は、浮気は絶対反対。色んな恋愛指南見るけど、浮気しながら報われるなんて載ってないもん。絞らないとそのうち2人に嫌われちゃうよ。」
「私もそう思うんだけど……」
「じゃあ、恋、聞くけど、恋が浮気した理由って何だったの?」
理央にそう聞かれて、恋はやっと、䄭風の事を話し始めた。