幼なじみは狐の子。2
放課後。
恋が鞄に教材をしまっていると、宗介がやって来て、恋の鞄を取った。
「何?。」
「今日図書室で勉強するから。」
ぽかんとしている恋に、宗介は怒り笑いで言った。
「覚えてないの?。この間の追試テストの対策。40点以下追試の。お前の取った20点の後始末。」
鞄を持って、ガラガラと戸を開けて廊下に出た2人。
「恋、これ図書室デートとは言え勉強会だからね。真面目にやれよ。分かってるとは思うけど。……樋山が来ないうちに行くぞ。」
「面倒くさいよ。」
「黙って行くの。」
辺りに誰も居ないのを軽く確認してから、宗介は恋の手を取って、歩き出した。