Unknown
「⋯⋯とんでもねえとこで仕事してんね」
「⋯⋯ね」
時刻は朝の9時を回ったところ。
ほんと、出社早々なにしてんだよ、と言いたくなる。
───と、またスマホが音を立てる。
「また?もう無視でいいよ」
「⋯⋯ん」
「どうせ有給いっぱい残ってんでしょ?」
「まるまる残ってる、使ったことない」
「ならしばらくは有給消化で、切れたタイミングで退職手続きしてもらお」
「メールとかで送っときな」とコーダイが言ったタイミングで、会社からメールを受信した。
───“辞めるなら退職届出してください”
⋯⋯ちょうどいい。
返信する形で有給の消化をお願いする。
“退職届は郵送させていただきます。残っている有給をすべて消化してから手続きをお願いいたします”
辞めるためにやることはまだまだありそうだ。
あとできちんと調べないと。
「⋯⋯とりあえず送れた」
「おけ。飯食うか」
「うん」