Unknown
眠気もどこかに吹っ飛んでしまった。
ベッドを降りて洗面所に向かう。
「パンでいい?」
「いいよ。⋯⋯なにか作ろうか?」
「⋯⋯冷蔵庫なんもねえ」
⋯⋯そりゃそうか。主食カップ麺だもんな。
歯磨きをし、顔を洗ってからリビングに戻る。
昨日とは別の棚に、今度はいろんなパンが入っていた。
「⋯⋯パン屋」
「おー、朝はパン屋で夜はカップラーメン屋」
「⋯⋯あ」
大好きなクリームパンを見つけ、手に取る。
「好きなん?」
「⋯⋯うん」
「それうまいよ」
「じゃあ、これにする」
「おれもクリームパンにしよ」
袋を開けて一口食べると、思っていたよりクリームが入っていて驚いた。
「ん、めっちゃ入ってる」
「そう、たっぷりなんだよ。クリームは正義」
「おいしい」
カスタードクリームが重すぎなくて、何個でも食べられそう。
あっという間に食べ終わったので、家に荷物を取りに行く準備を始めた。