ちょっとだけ、ほろ苦い
もう、ここに通い始めてから3年の月日が流れる。



そういえば、私の気持ち楓さんに伝えたことはなかったなぁ。



ずっと蓋をしてきた楓さんへの気持ち。



最近は「推し」という言葉だけではもう表せなくなってきている。



でもこの気持ちを伝えたら、もうここのカフェに来れなくなってしまいそうだからずっと言えてない。



きっと私の想いなんて伝えたとして、楓さんはどんな反応をするか困るだろう。




優しい楓さんのことだから、変に私に気を使って困らせちゃうに違いない。



私たちは、毎週1日だけこうやって話す関係。



それ以上でもそれ以下でもない。



実際、楓さんは火曜日以外は別のお仕事をやっているみたいだし私と違って忙しい。



前に、



「いつかカフェをやるのが夢だったんだ」



と話していたのが脳裏によぎる。



でも今のお仕事を辞めるわけにはいかなかったからお休みの毎週火曜日の夕方だけこのカフェを開いているらしい。



すごく素敵だなぁ。



楓さん以外には店員さんはいないから、人が集まりすぎるのもよくないと考えたらしくこの場所にオープンしたとのこと。



私的には、そのおかげで楓さんとたくさんお話できるから嬉しい。



楓さんは、私の他に何人かいる常連客さんたちともお話をしている。
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