私の花言葉
「さっきはごめん。うちのばあちゃんが」


立花くんは店を閉め、私と一緒に帰路につく。


彼の家はおばあちゃんのお店から2駅離れたところにあるらしい。


「え!あ、ううん!」


また私たちの間に沈黙が流れる。


なんだろう、このむず痒い気持ち。


こんな気持ちは初めてだ。


「あ、あー!私ね明日からテスト期間で部活休みなんだ!」


なんて言ったらいいか分からなくて私はわざとらしく話を逸らす。


「え!あ、そうなの?僕の学校も来週テストでさ
勉強やばいんだよね」


「私も、いつも部活ばっかりで授業中寝ちゃってさぁ!」


ははは...と笑いながら自分の女の色気の無さに愕然とする。


そんなこと話して好印象なんて与えられないじゃんか。


...え?まって私今何思った?


なんで立花くんに好印象持って欲しいだろう。


「じゃあ明日駅前のカフェで一緒に勉強しない?」
< 10 / 33 >

この作品をシェア

pagetop