私の花言葉
建物の屋根が覆いかぶさり合う、薄暗い裏路地の なのにそこだけスポットライトが浴びているかのように輝いて見える。


「お花?」


ディスプレイに飾られているお花たちはまるで、ステージにいるアイドルのよう。


1輪1輪が『私を見て!』と言わんばかりの主張で輝いている。


こんなに行き届いた手入れをしているなんて、余程愛情を注ぎ込まれて育ったのが伝わってくる。


顔を近づけて見ると、先程嗅いだ甘い花独特の匂いが今度は身体中を充満させた。
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