月影
「はぁ...」

学校に向かっている最中に何度目か分からないため息をした

時間が早い為か同じ制服を着ている生徒はまだ少ない

だが学校に近づくにつれ同じ制服を着た生徒が多くなっていった

「ねぇあの子まだ来てるよ」

「それな、まじあいつの神経どうなってんだか」

「あいつのせいで〝花音ちゃん〟がどれだけ辛い思いしてると思って」

...こんなこといつも通りに過ぎない

そして花音が辛い思い...?はっ...馬鹿馬鹿しい

どっちかと言うと今の現状を誰よりも喜んでいるのはそんな辛い思いしてると思われている花音ちゃんだと思うけどね

私はくだらない生徒達の発言を気にせず下駄箱まで向かった

...安定なことで

下駄箱には大量の悪口が書かれた紙と大量の画鋲が入っていた

紙も画鋲もゴミ箱に捨て上履きを履き教室へと向かった

ん?...いつも通り悪口が聞こえる中、一部の女子生徒は何処かそわそわしていた

そんなことを考えて階段を登っていると後ろから声をかけられ面倒だと思いつつ振り向いた瞬間

なにかの衝撃で私は階段から落ちた

幸いあまり高いところからではなかったのがよかったが

完全に挫いたな...

「きゃはは!だっさーおちてやんのー」

「早く行こ行こー遅刻しちゃうよ!」

恐らく私を階段から落とした犯人と声を掛けてきたやつらが甲高い声を上げながらばたばたと階段を上がって行った

「.....っ」

立ち上がろうとすれば足に激痛がはしった

だからと言っていつまでもこんなところにいられないし

階段の手すりに手をかけ、悲鳴を上げている足を無視して保健室まで向かった
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