ホスト様と私の恋
「じゃあ、俺呼ばれたから。克服する気になったら指名して」

そう言って、矢真斗さんはどこかへ行ってしまった。

私が聞きたかったこと聞ける暇もなく…


それからは、色んな人がついてくれたけど無愛想を丸出しだった。

矢真斗さんのことだけが頭に離れず、でも指名する勇気はなかった。


天音は、指名したら?って何度も言ってくれたけど断り続け…

結局帰るまで指名することなかった。


「瑠愛、よかったの?矢真斗のこと」

「うん、いいの。もう会うことないし、指名しても迷惑かけるだけだから」


気づいていた。

矢真斗さんのこと、気になってる自分を。


ホストにハマる自分が怖くなり、勇気を出せなかった自分もいた。


「そっか…」

「せっかく誘ってくれたのに、ごめんね」


と、謝るとなんのこと?って不思議そうに私を見る天音。
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