白雪姫は寵愛されている
「み…みんな朔也くんの事好きになるから、だから嫌で…!」
突然思い付いたような言葉だった。
これ以上歩けばその先には大きく鋭い破片。
下を見ず私を見ている朔也くん。
このままじゃ刺さると思った。だから。
「………嫌…って本当?」
目を大きく見開いている。
そんな朔也くんに私は大きく頷く。
嘘は言っていない。
だって朔也くんは格好いい。優しくて頼りになる人。
女の子なら誰だって惚れるに決まってる。
口元を抑える朔也くんの顔が桃色に染まる。
……もしかして、
「ご、ごめんなさい。えっと…変な事言って、」
気持ち悪いって思ったのかも。朔也くんはお兄ちゃんで私は妹。その妹に”嫌”だからって言うのは流石に嫌だったのかも。
「───────白雪、」
朔也くんが私を抱きしめた。