白雪姫は寵愛されている
「……ッ、それ本気?」
その声は私には聞こえなかった。
「朔也くん?…お、重いよ…」
突然体重がかかる。
重過ぎるわけではないけど、流石に重い。
───────っ、?
部屋着のTシャツ。随分着続けているからか、首元が大分緩くなってきた。
そこを、引っ張られた。
鎖骨に顔を埋める朔也くんの吐息が掛かる───────、
「痛ッ…!」
噛みつかれた。
一瞬の出来事だった。
だけど、凄く痛かった。
「はは…ごめん。痛かった?」
「っ?…??、」
「甘噛みだよ」
笑顔で頭を撫でてくる朔也くんと、状況整理が追い付かない私。
「大丈夫。白雪が成人するまでって決めてるから…それまで俺、ちゃんと我慢出来るよ。四年なんて…あっという間だから」
そう言って私の額にキスをした。
───────シャワーの音が響く。
「……なに…これ…?」
お風呂場の鏡。
右肩を見て驚愕する。
「…歯型?」
鎖骨についているくっきりと残る痕。それを見なかったことにして私はお風呂に浸かった。