白雪姫は寵愛されている
「それならこれとかはどうですか?」
ニコニコと笑う昴くんの手には、薄水色のフリルが沢山ついたワンピース。ウエストが少しだけ見えるようになっていて、洋服みたいですごく可愛い。
……けれど。
「そ、そんなの…むりです…!」
さっきの水着よりもゼロが多いじゃないですか…!
そんなの私には恐れ多くて着れません…!
プリンでは元が取れないではないですか!
それならと、何度も違う水着を出してくる三人は勧めてくるのは、どれもこれも値段が高いものばかり。
「うーん。白藤が好きそうなの、ねぇ〜なぁ〜」
「も、もう大丈夫だからぁ…」
「千雪、これはどうだ?」
じ、仁くんは全て高級なものばかり勧めてくるのですが…!どうしてでしょう…!
体のラインがあまり見えないような水着。正直揺らぐが、値段が正常心に戻してくれた。
「じゃー…これでいんじゃね?」
さっきまで参加せず鑑賞していた難波先輩が、笑いながら持ってきたのは黒色の水着だった。
胸や背中が大きく空いたハイレグタイプのもの。
腰回りも大胆と空いていてかなり特殊な感じ。
「そんなもん千雪が着るわけねぇだろ」
「そー怒んなって仁」
「…慶には失望しました」
「おいおい、お前は冗談も知らねぇのか?」
言い争う先輩達が揺れるたびに値札も揺れる。
っっ……、!
「こ、これにします!」
「……………え゛!?」
全員顔が引きつった。