白雪姫は寵愛されている
日焼けよりも何よりも根本的な所が点で駄目。
「千雪、泳がないのか?」
髪を搔き上げるながら戻って来たのは仁くん。
さっきの事を思い出して少し頬が赤くなる。
左右に首を振って笑顔でタオルを渡す。
受け取る仁くんの指に一瞬だけ触れた。
「千雪?顔、赤い」
さっきよりも赤く染まったらしい。お陰でバレてしまった。
仁くんの指が私の頬に触れた。
「な、なんでも…ありませ、」
顔暑い。
体暑い。
お、落ち着かないと…。
これ以上赤くなるわけには…!
「「……りんご」」
「ふぇ…?」
二人同時に聞こえた言葉は何故か果物の名前。
り、りんごとは?
「千雪ちゃん、すげー真っ赤。りんごみて~…甘そうだな」
「たたた食べられませんので…」
「おいおい、冗談だって」
「……慶」
「わーるかったって!睨むな!」
仁くんが難波先輩を睨んだ。
先輩は何食わぬ顔でケラケラ笑ってる。
「…千雪、ここに居ても面白くないだろ。行くぞ」
「え!?あ、あの…!」
引かれた腕、突然で言葉が出てこない。