白雪姫は寵愛されている


日焼けよりも何よりも根本的な所が点で駄目。



「千雪、泳がないのか?」



髪を搔き上げるながら戻って来たのは仁くん。


さっきの事を思い出して少し頬が赤くなる。
左右に首を振って笑顔でタオルを渡す。


受け取る仁くんの指に一瞬だけ触れた。



「千雪?顔、赤い」



さっきよりも赤く染まったらしい。お陰でバレてしまった。


仁くんの指が私の頬に触れた。



「な、なんでも…ありませ、」



顔暑い。
体暑い。



お、落ち着かないと…。
これ以上赤くなるわけには…!



「「……りんご」」


「ふぇ…?」



二人同時に聞こえた言葉は何故か果物の名前。


り、りんごとは?



「千雪ちゃん、すげー真っ赤。りんごみて~…甘そうだな」


「たたた食べられませんので…」


「おいおい、冗談だって」


「……慶」


「わーるかったって!睨むな!」



仁くんが難波先輩を睨んだ。
先輩は何食わぬ顔でケラケラ笑ってる。



「…千雪、ここに居ても面白くないだろ。行くぞ」

「え!?あ、あの…!」



引かれた腕、突然で言葉が出てこない。


< 114 / 136 >

この作品をシェア

pagetop