白雪姫は寵愛されている
帰り際、朔也くんが会社にお土産を買って行く。
ということで一緒にお土産屋さんに入る事に。
「白雪も何か欲しければ買っていいよ」
「本当?ありがとう!」
それなら…朱雀の人達にお土産買おうかな?
あ…でも沢山いるから行き渡るかな…。
それにお金も凄くかかりそう…。
チョコだけでもかなり種類が豊富。
キャラクターが印刷された缶を前に悩んでいた。
値段も見てから心の中で朱雀の皆さんに謝る。
ごめんなさい…本当は買っていきたいけれど、沢山買ったらお金が掛かっちゃうんです…本当にごめんなさい…。
朔也くんは沢山のお菓子が入った箱を次から次へとカゴの中に放り込んでいた。
…私も大人になって自分でお給料も貰ってから、あんな風に買ってみたいなぁ。
そんな事を思いながら店内を回る。
朔也くんはまだ時間が掛りそうだったから。
───────可愛い。
真ん中に小さな十字架の凹みがある赤いハートと、それに入るだろうシルバーの十字架のセットのキーホルダー。
キャラクター感の少ないデザインで、気にせず付けられそうな所も気に入った。
………でも、これってペアルック用だよね?
手に取ってじっくり悩んでいると、朔也くんに呼ばれた。
「白雪ー?会計するよ」
「う、うん!今行く…!」
思わずそのキーホルダーも持って行った。