白雪姫は寵愛されている


高身長で料理も出来て、仕事もよく出来る人らしい。
誰にでも優しくて、その上イケメンさん。

誰だってほしくなるに決まってる。


だからだと思う。


ほぼ毎日朔也くんの為に高いお菓子を買って、可愛いラッピングをして貰って、想いを込めた手紙を入れる。


…そこまで来たのに、当の本人はなんとも思ってないみたいだけど。


朔也くんが彼女を連れてきたことなんて一度も無かった。

今もいないみたい。理想が高いのかも?なんて思ったりしたけど…でも朔也くんなら美人でも二つ返事で付き合えそう。


だから……きっと、私のせい。



「白雪?」



私を呼ぶ朔也くん。
お互い小さい頃からそう呼ばれてる。


白藤千雪だから。白と雪を取って、シラユキって意味だと思う。深く聞いたことないし、私の完全な憶測だけど。


そんな私もいつからか、名前で呼ぶようになった。今更「お兄ちゃん」とは呼べない。



「ん?おなかすいた?今食べよっか?」

「が、我慢ぐらい出来るよ…!」



朔也くんは笑った。


< 22 / 96 >

この作品をシェア

pagetop