白雪姫は寵愛されている
高身長で料理も出来て、仕事もよく出来る人らしい。
誰にでも優しくて、その上イケメンさん。
誰だってほしくなるに決まってる。
だからだと思う。
ほぼ毎日朔也くんの為に高いお菓子を買って、可愛いラッピングをして貰って、想いを込めた手紙を入れる。
…そこまで来たのに、当の本人はなんとも思ってないみたいだけど。
朔也くんが彼女を連れてきたことなんて一度も無かった。
今もいないみたい。理想が高いのかも?なんて思ったりしたけど…でも朔也くんなら美人でも二つ返事で付き合えそう。
だから……きっと、私のせい。
「白雪?」
私を呼ぶ朔也くん。
お互い小さい頃からそう呼ばれてる。
白藤千雪だから。白と雪を取って、シラユキって意味だと思う。深く聞いたことないし、私の完全な憶測だけど。
そんな私もいつからか、名前で呼ぶようになった。今更「お兄ちゃん」とは呼べない。
「ん?おなかすいた?今食べよっか?」
「が、我慢ぐらい出来るよ…!」
朔也くんは笑った。