白雪姫は寵愛されている
勉強を頑張っていた甲斐があり、内申ランクはA。後はお金の問題もあったけど。なんとか特待生枠に入れる事になると知り、必死に朔也くんを説得した。
時間をかけてプレゼンして、ようやく入学を許可される事になった。あの時の安堵と喜びはきっともう味わえないと思う。
そして、入学する条件として朔也くんに”約束”をすることになった。
【絶対に族とは関わらない】
そんな約束を────。
入学して半年でその約束を破く事になってしまった。
さ…早速、関わってしまいました。
あんなにも説得して、ようやく折れた朔也くんが、「絶対に守るように」と言われた約束。
それを…あっという間に破ってしまった。
も、もし、ばれたら。辞めさせられるとか、無いですよね?
……お、怒られてしまうのは避けなければ。
怒らせて辞める事になるのは…嫌です。
まだ読んでいない本もありますし!
だからこそ、絶対に知られるのだけは死守しないと。
「白雪?」
ハッとした。
…回想し過ぎました。
「大丈夫。毎日楽しいから」
沢山の本に囲まれることが出来てますから…!
「───────本当に?」
テレビの笑い声が朔也くんの声をかき消す。
ココアをごくごくと飲む私はきっと中毒者。
朔也くんの手が私の首裏に触れる。
「?、朔也くん?」
私の首を包む朔也くんの手。