白雪姫は寵愛されている


停学期間が終わったはずなのに、中々来なかったから私自身は忘れていたけど…そうだった。同じクラスだった。


「えっと。文月、さん?」


…って呼んでいいのかな?
でも馴れ馴れしかったかな。



「同級生に何敬語使ってんだよ~。颯太でいい、颯太で!」


「えっと…そ、颯太くん?」



朔也くん以外に男の人に名前呼びなんてしたことないよ…。少し恥ずかしい。

颯太くんはニコッと笑った…気がする。顔腫れてるからイマイチ分からないけれど。多分。


そして、自分の胸をドンッと叩いた。


「白藤のこと、教えたの俺なんだ!」


…教えた?



「だ、だれに?」

「仁さんに!!」



どういうこと…?


「久々に学校来てみたらさ、白藤千雪って名前があってさ!まあ、聞いてる話と容姿ちげーから、別人だろなぁ~。って思ってたんだけど!風で前髪無くなった時!見えたんだよな!綺麗な顔!!」


つまり…颯太くんが私の顔を偶々目撃して、それを八神先輩に報告。その後私に会いに来た…ってこと?

傘を渡しただけで。こんなことになるなんて思ってなかった。



───────だけど、
一つ言っておかなければならない事がある。



「私、綺麗な顔なんてしてません…!」



三人は顔を合わせた後、首を傾げた。


「千雪ちゃんは謙虚過ぎだな」

「千雪はかわいい。何してても」

「白藤!自信持てよ!めっちゃ綺麗だから!!」


むっ…、この人達は…!


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