白雪姫は寵愛されている

認めない


帰りのHRが終わり、チャイム鳴った。


今日は掃除当番任され無さそうな雰囲気。

理由は分かってる。颯太くんがさっき教えてくれたから。

毎日誰かには必ずと言っていいほど任されていたから、なんだか変な感じ。


あっ…でも、これだけ早く終わるなら、先輩達が来る前に図書館に行ける、かな?


昨日は結局行けず仕舞い。借りるはずだった本は無いし、持っている本は全部見尽くした。帰りは掃除が終わってから毎回行っていたから、こんなに早いならチャンスかもしれない。


なんて考えていた数秒間。
突然ガラリと勢いよく開いたドア。


八神先輩が入ってきた。先輩を見た生徒は頬を赤らめ、甲高い声を出す。


「…行くぞ」


しかめっ面。どうやら甲高い声にそんな顔をしたみたい。


や、やっぱり、本は諦めるしかないみたい。こんなに早く来るとは思っていませんでした…。


「は、はい…」

「ああ!待って!」


先輩に腕を引かれ、教室を出る。後を追いかけるように足早についてくる颯太くん。歩く度に耳が痛くなるような声がする。

それを聞く度に先輩は更に顔をしかめた。眉間のしわも段々と増えてる気がするのは…きっと気のせいなんかじゃない。

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