白雪姫は寵愛されている

──────昼休み。


いつも一人ぼっちの昼食が、賑やかに変わった。



「うまそーな弁当!」


「えっと…良かったら食べる?」



喜ぶ颯太くんに甘い玉子焼きを持って行く…が。


「「あっ!」」


パクリと横入りしてきたのは八神先輩。



「あまっ、」

「ちょちょちょ!俺の玉子焼きー!!」

「諦めろ颯太…おい仁、お前はちゃんと許可取ってから貰え」

「…千雪、貰うな」

「食ってから言うな。食う前に言うんだよ普通…」

「うわあああ、俺の玉子焼きがあああ!」



先輩達と颯太くんとご飯を食べることになった。

場所は中庭の芝生の上に大きなレジャーシート。
いつもここで食べているらしい。

何故だか私もその中に入ることになった。


凄く賑やかで、だけど居心地悪くない空間。


美味いと連呼する八神先輩にムッとしている颯太くん。


「俺にも頂戴!白藤!」

「ご、ごめんね。颯太くん…今のが最後の一個…」

「そんなあああ!」


あはは…全部、八神先輩に食べられちゃいました…。



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