白雪姫は寵愛されている
ようやく読めた特別な本。
生徒だけが読めて、借りられる特別な物。
この図書館の本はほとんどが貴重な物。だから持ち合出せるのは生徒のみ、一人一冊まで。
読み進めているこの本はずっと探していた長編物。見つける事に成功したのは三か月前ぐらいの事。
一巻、二巻、三巻までは約二か月間掛けてなんとか読めた。もし今、四巻を借りれないとなってしまったら…また一か月ほどは読めないと思っていいだろう。
今放課後は先輩達について溜まり場にいる。次に図書館に来れるのがいつになるか分からない…それなら今しかない。
「ご、めんなさい。本を借りたらすぐにいなくなりますので!」
慌てて本に手を伸ばす。
私じゃ背伸びしないと届かない。
急がないと、その気持ちだけいっぱいで届きそうにない手を必死に伸ばした。この時の私は台を持ってくる、そんな簡単な事を全く思いつかなかった。
久我先輩の溜息が聞こえた。
”それでは届くはずがない”とそんな溜息。
もう完全にビビってしまって、その音でさえ怖く感じてしまった。
焦りと恐怖。
背伸びする足の片方が、ぐにゃりと曲がりバランスを崩した。
生徒だけが読めて、借りられる特別な物。
この図書館の本はほとんどが貴重な物。だから持ち合出せるのは生徒のみ、一人一冊まで。
読み進めているこの本はずっと探していた長編物。見つける事に成功したのは三か月前ぐらいの事。
一巻、二巻、三巻までは約二か月間掛けてなんとか読めた。もし今、四巻を借りれないとなってしまったら…また一か月ほどは読めないと思っていいだろう。
今放課後は先輩達について溜まり場にいる。次に図書館に来れるのがいつになるか分からない…それなら今しかない。
「ご、めんなさい。本を借りたらすぐにいなくなりますので!」
慌てて本に手を伸ばす。
私じゃ背伸びしないと届かない。
急がないと、その気持ちだけいっぱいで届きそうにない手を必死に伸ばした。この時の私は台を持ってくる、そんな簡単な事を全く思いつかなかった。
久我先輩の溜息が聞こえた。
”それでは届くはずがない”とそんな溜息。
もう完全にビビってしまって、その音でさえ怖く感じてしまった。
焦りと恐怖。
背伸びする足の片方が、ぐにゃりと曲がりバランスを崩した。