白雪姫は寵愛されている


「明日、何するの?」

「えっと、図書館に行こうかなって思ってるよ。それと…シャンプー買わないと、かな」


朔也くんと私は、別々のシャンプーを使ってる。勿論リンスもだけど。ついこの間買えたばかりだったような気がしたけど。私の方はもう無くなりそうだった。


あんまり使わないようにしてたつもりだったけど…もしかしたら知らない内に大目に出しちゃってたのかも。



「ああ、もう無くなりそうだったね。白雪の方」

「え?知ってたの?」



知らないと思ってた。

だって私は朔也くんの中身とか量とか知らないから。



「間違ってプッシュしちゃってさ」


「朔也くん…まさか間違えたの一回二回じゃないでしょ?」


「ははは……ばれた?」



変えたばかりだったのに急に無くなるから変だと思った。
でもまさか犯人が……朔也くんだったなんて!



「悪い悪い…」



そう言って財布から一万円を取り出す。


「これでいいシャンプーでも買っておいで」

「流石に多いよ…」

「なら、お釣りで本か何か買ってきていいよ」

「え!いいの!?」

「フッ、いいよ。好きなの買っておいで」



そう言って、優しく笑いかけると私の額にキスを落とした。


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