偽りの恋人契約も秒で解除としましたが婚約した件
思わず裏返った声で返事をした私に笑顔で「次、なに頼もうか?」と訊かれてしまい、気が利くというのも善し悪しがあるのだと知った。
「いえ!私、実は今日もう帰らなくちゃいけなくて!」
ここは負けられない!とばかりに、強行突破ではっきりとそう告げ「楽しかったです!」と、振り返りもせず逃げるように去ろうとした。
引き止められる余地を残してはいけない。
しかし——
「あ!じゃあ俺、送ります!」
爽やかにそう名乗りを上げたのは今井さんだった。
引き止められるよりも、たちの悪い展開である。
「はい!?」
私の声は再び見事に裏返り、場の誰もがただただポカンとしている。
「夜道危ないから」
「い、今来たばかりなのに……」
「うん。まだちょうど何も頼んでないし」
「いや、でも……」
私が引き止めらる余地は消したはずだったのに、今井さんをここに留まらせるにはどうすればいいのか。急募。
「いえ!私、実は今日もう帰らなくちゃいけなくて!」
ここは負けられない!とばかりに、強行突破ではっきりとそう告げ「楽しかったです!」と、振り返りもせず逃げるように去ろうとした。
引き止められる余地を残してはいけない。
しかし——
「あ!じゃあ俺、送ります!」
爽やかにそう名乗りを上げたのは今井さんだった。
引き止められるよりも、たちの悪い展開である。
「はい!?」
私の声は再び見事に裏返り、場の誰もがただただポカンとしている。
「夜道危ないから」
「い、今来たばかりなのに……」
「うん。まだちょうど何も頼んでないし」
「いや、でも……」
私が引き止めらる余地は消したはずだったのに、今井さんをここに留まらせるにはどうすればいいのか。急募。