虐げられた令嬢は貴公子の夢を見る ~気がついたら幸せな結婚が決まっていました~
いつの間にか用意されていて、いつの間にか片付けられている不思議なワゴン。
初めて現れたときには「俺のことも食事のことも内緒だよ」とのメモがあったので、このことを誰にも言ってはいない。
彼のおかげかと思って夢で再会したときにお礼を言ったら、「なんてことないよ」と彼は微笑した。
仕事で作ったお菓子が余ったときには、ワゴンにお礼の意味で載せておいた。
その晩、彼はひどく喜んで上機嫌だった。
だからそれ以来、仕事でお菓子を作るときにはわざと余るようにしてワゴンに載せていた。
お菓子のお礼に、とネックレスがワゴンに載っていたことがあった。が、隠していたのにティアリスに見つかって取り上げられてしまった。
それ以来、プレゼントは理由をつけて固辞していた。ティアリスに奪われるのであれば、もらわないほうがいい。そのかわりのように食事は豪華になったが、食べきれないからと元に戻してもらった。
夢の中では彼と一緒に本を読んだり、彼の隣で刺繍を楽しむこともあった。
彼のためにハンカチに刺繍をして渡すと、これも喜んでくれた。
「一生大切にするから!」
「大袈裟ね」
「大袈裟じゃないよ」
笑うセレスティーンに言い、彼はぱちんと指を鳴らす。空中に現れたジュエリーケースを手にとり、蓋をあけて彼女に見せる。中には指輪が入っていた。
初めて現れたときには「俺のことも食事のことも内緒だよ」とのメモがあったので、このことを誰にも言ってはいない。
彼のおかげかと思って夢で再会したときにお礼を言ったら、「なんてことないよ」と彼は微笑した。
仕事で作ったお菓子が余ったときには、ワゴンにお礼の意味で載せておいた。
その晩、彼はひどく喜んで上機嫌だった。
だからそれ以来、仕事でお菓子を作るときにはわざと余るようにしてワゴンに載せていた。
お菓子のお礼に、とネックレスがワゴンに載っていたことがあった。が、隠していたのにティアリスに見つかって取り上げられてしまった。
それ以来、プレゼントは理由をつけて固辞していた。ティアリスに奪われるのであれば、もらわないほうがいい。そのかわりのように食事は豪華になったが、食べきれないからと元に戻してもらった。
夢の中では彼と一緒に本を読んだり、彼の隣で刺繍を楽しむこともあった。
彼のためにハンカチに刺繍をして渡すと、これも喜んでくれた。
「一生大切にするから!」
「大袈裟ね」
「大袈裟じゃないよ」
笑うセレスティーンに言い、彼はぱちんと指を鳴らす。空中に現れたジュエリーケースを手にとり、蓋をあけて彼女に見せる。中には指輪が入っていた。