虐げられた令嬢は貴公子の夢を見る ~気がついたら幸せな結婚が決まっていました~
「なんだそのかっこうは! みっともない!」
「どうしてもこのドレスがいいって聞かなくて。私はやめるように言ったんですのよ。しつけが行き届かず、申しわけございません」
エマニーズは口元を扇子で隠しているが、意地悪く笑った目元は隠れていない。
「令嬢としてのたしなみもないのか。結局は中身なんだがな。育つところは育っているようだし、あとはこちらでなんとかするとしよう」
言いながらドルファスは好色な目でセレスティーンを眺める。
ほほ、とエマニーズは笑い、ティアリスはにやりと笑いながら扇子で口元を隠す。
「セレスティーンは幸せ者ねえ。心の広い伯爵に嫁にもらっていただけて」
「わ、私、帰らせていただきます……」
「せっかく来たんだ、あちらの休憩室で一緒に休憩するか」
にたにたと笑うドルファスに、セレスティーンはえも言われぬ恐怖を感じた。
「ご迷惑をおかけるするわけには」
「婚約者に逆らうというのか!」
「そういうわけでは……」
「なら来い!」
「やめてください!」
腕を掴まれ、とっさに声を上げた。周囲の目がふたりに集まる。
「なにあの女」
「娼婦を連れ込んだの?」
「ドルファス伯爵、噂にたがわぬ御仁ですこと」
「どうしてもこのドレスがいいって聞かなくて。私はやめるように言ったんですのよ。しつけが行き届かず、申しわけございません」
エマニーズは口元を扇子で隠しているが、意地悪く笑った目元は隠れていない。
「令嬢としてのたしなみもないのか。結局は中身なんだがな。育つところは育っているようだし、あとはこちらでなんとかするとしよう」
言いながらドルファスは好色な目でセレスティーンを眺める。
ほほ、とエマニーズは笑い、ティアリスはにやりと笑いながら扇子で口元を隠す。
「セレスティーンは幸せ者ねえ。心の広い伯爵に嫁にもらっていただけて」
「わ、私、帰らせていただきます……」
「せっかく来たんだ、あちらの休憩室で一緒に休憩するか」
にたにたと笑うドルファスに、セレスティーンはえも言われぬ恐怖を感じた。
「ご迷惑をおかけるするわけには」
「婚約者に逆らうというのか!」
「そういうわけでは……」
「なら来い!」
「やめてください!」
腕を掴まれ、とっさに声を上げた。周囲の目がふたりに集まる。
「なにあの女」
「娼婦を連れ込んだの?」
「ドルファス伯爵、噂にたがわぬ御仁ですこと」