虐げられた令嬢は貴公子の夢を見る ~気がついたら幸せな結婚が決まっていました~
カラスの群れが急に会場に現れ、マルセルム、ティアリスとエマニーズを囲む。
「うわあ!」
「なにこれ!」
「なんで!?」
カラスは飛びながら彼女らに糞を落とし、開いている窓から外へと飛び去って行った。
「ひどい……」
「なんてことなの」
ティアリスとエマニーズが泣きそうになりながら糞まみれになったドレスを眺める。糞は顔にも頭にもべとべとについていた。
マルセルムはなにも言わず、ただ呆然としていた。
「次はなにがいいかな。ネズミで囲んでやろうか、それともトカゲか」
指を鳴らそうとするアーロンの腕に、セレスティーンはそっと手を添えた。
「もうやめて」
セレスティーンが言うと、アーロンはすいっと眉を上げた。
「優しいな。この程度では俺の気が済まない……が、君がそう言うなら」
アーロンはセレスティーンの手を取り、軽くキスをした。
「アーロン様、初めまして。アシュディウムの皇子殿下が我が婚約者とダンスを踊られるとは、光栄なことです」
ようやく話しかける隙を見つけたドルファスがこびへつらうように言い、アーロンはそちらへ目を向けた。卑しい笑顔にアーロンは顔をしかめる。
「うわあ!」
「なにこれ!」
「なんで!?」
カラスは飛びながら彼女らに糞を落とし、開いている窓から外へと飛び去って行った。
「ひどい……」
「なんてことなの」
ティアリスとエマニーズが泣きそうになりながら糞まみれになったドレスを眺める。糞は顔にも頭にもべとべとについていた。
マルセルムはなにも言わず、ただ呆然としていた。
「次はなにがいいかな。ネズミで囲んでやろうか、それともトカゲか」
指を鳴らそうとするアーロンの腕に、セレスティーンはそっと手を添えた。
「もうやめて」
セレスティーンが言うと、アーロンはすいっと眉を上げた。
「優しいな。この程度では俺の気が済まない……が、君がそう言うなら」
アーロンはセレスティーンの手を取り、軽くキスをした。
「アーロン様、初めまして。アシュディウムの皇子殿下が我が婚約者とダンスを踊られるとは、光栄なことです」
ようやく話しかける隙を見つけたドルファスがこびへつらうように言い、アーロンはそちらへ目を向けた。卑しい笑顔にアーロンは顔をしかめる。