愛したがりの若頭と売られた私
池治の運転する車に乗り、茉咲のバイト先であるカフェに向かう。
その間もずっと夜凪にキスで責められて、漸く解放される。
「夜凪さん、行ってきます」
「ん。いってらっしゃい。
気をつけてね?
なんかあったら、すぐに連絡して?
わかった?」
「はい」
頷いた茉咲が、後部座席を降りる。
「茉咲さん、いってらっしゃいませ……!」
「はい、行ってきます。
池治さんも、お気をつけて」
そしてドアを開けて待っていた池治がドアを閉め、茉咲に軽く頭を下げて運転席に乗り込み、車が走り去るまで見送る。
車が見えなくなって、小さく息を吐いた。
「よし…!」と気合を入れて、カフェに入った。
一方の夜凪。
すぐに煙草を取り出し、吸い始めた。
できる限り、茉咲の前では吸わないようにしているからか、その反動で茉咲がいない時はずっと吸っている。
包み雰囲気や表情も、黒く落ちて恐ろしい。
同一人物とは思えない程に………
「池治」
「はい」
「茉咲につける奴、見つかった?」
「堺部はどうかと……」
「堺部ね」
「はい。
茉咲さんと同じ20代なので、話も合うかと」
「そうだな。
堺部に言っとけ」
「はい」
そして夜凪の部下・堺部が茉咲の働くカフェに、客として来店してきた。
「いらっしゃ………」
「あ、一番端の席」
接客してきた店員に、端の席を指差した。
そして席に座り、店内を見渡す。
すると、他の客を接客している茉咲を見つけた。
そして堺部は、茉咲をジッと監視するように見つめだした。
「………」
(あれが、若の女か……
へぇー、結構可愛いじゃん!)
ジッと見ていると、当然茉咲は不審に思う。
(だ、誰…!?
明らかに私を見てるよね!?
え?え?
見た目は若いし、カヲリの友達とか?
カヲリの代わりに、私の様子を見に来たとか……
前にもそんなことあったし…)
茉咲は休憩時間に、夜凪に連絡をかけた。
“万が一、茉咲の元・家族が接触してくることがあったら、僕に連絡ちょうだい”
そう言われていたからだ。
『もしもし?茉咲さん?』
「え?あ…池治さん?」
『はい。池治です。
どうしました?』
「あ、あの、変な男の人が店にいるんです…」
『は?』
「ジッと私のこと見てて…
前にカヲリの友達がカフェに来て、ずっと見張られてたことがあったので……」
『どんな奴ですか?』
「え、えーと……
確か首に、三日月のタトゥーがありました」
『首に三日月…
あ、そいつは大丈夫です。
我々の部下なので』
「え……!?」
その間もずっと夜凪にキスで責められて、漸く解放される。
「夜凪さん、行ってきます」
「ん。いってらっしゃい。
気をつけてね?
なんかあったら、すぐに連絡して?
わかった?」
「はい」
頷いた茉咲が、後部座席を降りる。
「茉咲さん、いってらっしゃいませ……!」
「はい、行ってきます。
池治さんも、お気をつけて」
そしてドアを開けて待っていた池治がドアを閉め、茉咲に軽く頭を下げて運転席に乗り込み、車が走り去るまで見送る。
車が見えなくなって、小さく息を吐いた。
「よし…!」と気合を入れて、カフェに入った。
一方の夜凪。
すぐに煙草を取り出し、吸い始めた。
できる限り、茉咲の前では吸わないようにしているからか、その反動で茉咲がいない時はずっと吸っている。
包み雰囲気や表情も、黒く落ちて恐ろしい。
同一人物とは思えない程に………
「池治」
「はい」
「茉咲につける奴、見つかった?」
「堺部はどうかと……」
「堺部ね」
「はい。
茉咲さんと同じ20代なので、話も合うかと」
「そうだな。
堺部に言っとけ」
「はい」
そして夜凪の部下・堺部が茉咲の働くカフェに、客として来店してきた。
「いらっしゃ………」
「あ、一番端の席」
接客してきた店員に、端の席を指差した。
そして席に座り、店内を見渡す。
すると、他の客を接客している茉咲を見つけた。
そして堺部は、茉咲をジッと監視するように見つめだした。
「………」
(あれが、若の女か……
へぇー、結構可愛いじゃん!)
ジッと見ていると、当然茉咲は不審に思う。
(だ、誰…!?
明らかに私を見てるよね!?
え?え?
見た目は若いし、カヲリの友達とか?
カヲリの代わりに、私の様子を見に来たとか……
前にもそんなことあったし…)
茉咲は休憩時間に、夜凪に連絡をかけた。
“万が一、茉咲の元・家族が接触してくることがあったら、僕に連絡ちょうだい”
そう言われていたからだ。
『もしもし?茉咲さん?』
「え?あ…池治さん?」
『はい。池治です。
どうしました?』
「あ、あの、変な男の人が店にいるんです…」
『は?』
「ジッと私のこと見てて…
前にカヲリの友達がカフェに来て、ずっと見張られてたことがあったので……」
『どんな奴ですか?』
「え、えーと……
確か首に、三日月のタトゥーがありました」
『首に三日月…
あ、そいつは大丈夫です。
我々の部下なので』
「え……!?」