愛したがりの若頭と売られた私
恐ろしい旦那様
私は、江戸組若頭・江戸川 夜凪さんの世界を知らない――――――
江戸組の本事務所。
見た目は、至って普通のビル。
しかし何故か、恐ろしい雰囲気が漂っている。
ソファにドカッと座っている、夜凪。
目が据わり、冷たく恐ろしいオーラを漂わせて向かいに座っている相手を見据えている。
「――――――で?俺にどうしてほしい?」
「ですから、後三日!三日待ってください!」
「は?」
「お願いします!」
「待ったら何がある?」
「か、必ず、用意します」
「この一週間で用意出来なかったのに、三日で出来るって意味がわからない」
「…………アテがあります」
「だったら、そのアテを教えろ。
俺が、直接取り立てに行く」
「え……それは…」
「は?お前の手間を省いてやってるんだ。
有り難く思え。
池治、こいつから聞いてそこに連れていけ」
「はい」
「ちょ…ちょっと待ってください!!
お願いします!あいつには手を出さないでください!」
夜凪の足元に跪き、スボンにしがみついた。
それを冷めた目で見下ろす、夜凪。
「………」
「お願いします!!」
「――――――お前の大切なモノはなんだ?」
ため息をつき、鋭い視線で見下ろす。
「え……」
「お前の命?お前が“あいつ”って呼ぶ奴?
お前の店?家族?友達?」
「え?」
「お前“お願い”が多すぎる。
金はあと三日待ってください。
あいつには手を出さないでください。
命だけは助けてください」
「………」
「だから、なんだ?大切なモノ」
「家族…です…」
「だったら、お前のその命を差し出せ。
お前の店も全て」
「江戸川さん!!」
「なんだ?
大切な家族には、手を出さないでやる。
でも“それ以外は”問題ないだろ?」
男は、最後まで“助けてください”と叫んでいた。
そして、組員達に連れていかれた。
ため息をつき、煙草を咥える夜凪。
すかさず、池治が火をつけた。
「茉咲は今何してる?」
「今はまだ、バイト中です」
「そうか。
コーヒー、飲みに行くか」
「しかし若。
5分程しか、時間がありませんよ?」
「いいじゃん、5分でも。
茉咲の顔が見れれば」
「しかしあなたは、5分では済まないでしょ?」
池治の意味深な言葉に、夜凪は「………そうだな…」と呟いた。
江戸組の本事務所。
見た目は、至って普通のビル。
しかし何故か、恐ろしい雰囲気が漂っている。
ソファにドカッと座っている、夜凪。
目が据わり、冷たく恐ろしいオーラを漂わせて向かいに座っている相手を見据えている。
「――――――で?俺にどうしてほしい?」
「ですから、後三日!三日待ってください!」
「は?」
「お願いします!」
「待ったら何がある?」
「か、必ず、用意します」
「この一週間で用意出来なかったのに、三日で出来るって意味がわからない」
「…………アテがあります」
「だったら、そのアテを教えろ。
俺が、直接取り立てに行く」
「え……それは…」
「は?お前の手間を省いてやってるんだ。
有り難く思え。
池治、こいつから聞いてそこに連れていけ」
「はい」
「ちょ…ちょっと待ってください!!
お願いします!あいつには手を出さないでください!」
夜凪の足元に跪き、スボンにしがみついた。
それを冷めた目で見下ろす、夜凪。
「………」
「お願いします!!」
「――――――お前の大切なモノはなんだ?」
ため息をつき、鋭い視線で見下ろす。
「え……」
「お前の命?お前が“あいつ”って呼ぶ奴?
お前の店?家族?友達?」
「え?」
「お前“お願い”が多すぎる。
金はあと三日待ってください。
あいつには手を出さないでください。
命だけは助けてください」
「………」
「だから、なんだ?大切なモノ」
「家族…です…」
「だったら、お前のその命を差し出せ。
お前の店も全て」
「江戸川さん!!」
「なんだ?
大切な家族には、手を出さないでやる。
でも“それ以外は”問題ないだろ?」
男は、最後まで“助けてください”と叫んでいた。
そして、組員達に連れていかれた。
ため息をつき、煙草を咥える夜凪。
すかさず、池治が火をつけた。
「茉咲は今何してる?」
「今はまだ、バイト中です」
「そうか。
コーヒー、飲みに行くか」
「しかし若。
5分程しか、時間がありませんよ?」
「いいじゃん、5分でも。
茉咲の顔が見れれば」
「しかしあなたは、5分では済まないでしょ?」
池治の意味深な言葉に、夜凪は「………そうだな…」と呟いた。