愛したがりの若頭と売られた私
え………

若頭?
江戸組?

それって…ヤク……

思わず、腰を引いてしまう茉咲。

「あ…怖がらないでください……!
………って、無理か…
信じてもらえるかわからないけど、茉咲さんを傷つけるつもりはありません。
ただ…傍にいてほしいだけです。
君を愛したいだけ……!」

「………」

「うーん…どう言ったら、信じてくれるかな?」

「………」


茉咲は、頭の中で巡らせた。
このまま江戸川さんを突っぱねることが出来たとして、私にはもう…何処にも行く所がない。

家にいれてくれたとしても、居場所がないのは変わらない。

だったら………

一か八かこの人を信じてみよう……と。


「……………信じます」

「え……ほんと!?」

「はい、江戸川さんを信じます!
よろしくお願いします!」

茉咲は、夜凪に頭を下げたのだった。


ホテルの前に車が止まっていて、夜凪と茉咲を認めると運転手がドアを開けた。

夜凪が「茉咲さん、どうぞ?」と中へ促す。

後部座席に乗り込むと、隣に夜凪も乗り込んだ。

「茉咲さん、僕達の家に帰ったら、まず婚姻届にサインしてくれますか?」

「あ、はい」

「フフ…明日、朝一番に出しに行きましょうね!
そしたら、僕達は夫婦ですね!」

嬉しそうに笑う、夜凪。
茉咲も自然と、微笑んでいた。

「わ…//////
その笑顔、可愛い//////
困ったな…増々惚れてしまう…!」

そう言って頬に触れられ、親指で口唇をなぞられた。

「ん…//////」

茉咲の声が漏れて、ゆっくり夜凪が顔を近づける。

「………」
口唇が重なる寸前に、夜凪が止まる。

「え…」

「キスしたいけど…
やっぱ、籍入れてからかなって思って…」

「……/////」

顔を赤らめる茉咲に「籍入れたら、キス沢山させてくださいね!」と頬を撫でた。


夜凪の自宅マンションに着き、車を降りる。

夜凪に腰を抱かれ、自動ドアをくぐるとオートロックの自動ドアがある。

機械に、鍵をかざしを読み込ませる。
すると……自動ドアが開いた。

エントランスでは管理人がいて、夜凪を認めると管理人室から出てきて丁寧にあいさつしてきた。
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