愛したがりの若頭と売られた私
「茉咲さん、今日は疲れたでしょ?
風呂に入って寝ましょうね!
風呂がもうすぐ沸きます。
ゆっくり入って、お休みになってください」
「え?
だったら、江戸川さんが先です!」
「あぁ僕は、まだ仕事が残ってますので(笑)」
微笑み、茉咲を風呂場に連れていく。
「タオルと、僕のTシャツと短パンを置いてます。
サイズが大きいでしょうが、紐が付いてるので縛ればなんとかなるかと…」
「はい。
では、お先に失礼します!」
「………」
丁寧に頭を下げると、夜凪は何か言いたそうに苦笑いをする。
「ん?江戸川さん?
私、何か気に障るようなこと……」
「いえ!大丈夫ですよ?
では僕は、リビングで仕事をしてますので!」
そう言って、風呂場を出ていった。
茉咲は、大きく息を吐く。
確かに、物凄く疲れている。
ゆっくり入り、風呂を出た。
リビングへ向かう。
「――――あぁ、あぁ、徹底的に殺れ。
…………その件は、俺が行くから。
…………ん、そっちは任せる。あぁ、そうだな――――――――」
なにやら、恐ろしい話をしている。
「………」
(ど、どうしよう……)
ここにいる夜凪は、本当に同一人物なのだろうか?
恐ろしい雰囲気、冷たい言葉と声色、そして…自身を“俺”と呼んでいる。
つい先程までは、優しくて柔らかくて、甘ささえ感じる程だったのに。
とにかく恐ろしくて、声をかけられない。
かと言って、何も声をかけずに休むなんて出来ない。
すると茉咲の気配を感じたのか、電話をしながら不意に夜凪が振り向いた。
「あ…
――――――!!!?」
一瞬で、夜凪の包む雰囲気が柔らかく甘く変化した。
「…………
茉咲さん、お風呂どうでした?」
通話を切り、微笑み近づいてくる。
「あ…お、お先に失礼しました。
気持ちよかったです……!」
「良かった!
じゃあ…休みましょうね!」
「あ…あの…」
「ん?どうしました?」
「江戸川さんは、まだお仕事ですか?」
「はい。もう少し仕事が残ってますので」
「だったら、何か…夜食とか作りましょうか?」
「………」
「………」
「………ほんと…君は…」
「え…?」
「茉咲さん」
「あ、はい」
「僕に、気を遣わないでください」
「え?」
「僕は君の夫です。
本来、気を遣う必要なんてないんですよ?」
「で、でも…」
茉咲をソファに誘導し、座らせて隣に座った夜凪。
茉咲の手を握った。
「確かに僕は、君を“買った”
でもそれは、建前のようなモノ。
信じられないと思いますが、僕は茉咲さんに心底惚れていて、君を手に入れたくてこのような手段を取ったに過ぎない。
だから君は、僕に気を遣う必要ないし、もっと僕に甘えて良いんですよ?」
風呂に入って寝ましょうね!
風呂がもうすぐ沸きます。
ゆっくり入って、お休みになってください」
「え?
だったら、江戸川さんが先です!」
「あぁ僕は、まだ仕事が残ってますので(笑)」
微笑み、茉咲を風呂場に連れていく。
「タオルと、僕のTシャツと短パンを置いてます。
サイズが大きいでしょうが、紐が付いてるので縛ればなんとかなるかと…」
「はい。
では、お先に失礼します!」
「………」
丁寧に頭を下げると、夜凪は何か言いたそうに苦笑いをする。
「ん?江戸川さん?
私、何か気に障るようなこと……」
「いえ!大丈夫ですよ?
では僕は、リビングで仕事をしてますので!」
そう言って、風呂場を出ていった。
茉咲は、大きく息を吐く。
確かに、物凄く疲れている。
ゆっくり入り、風呂を出た。
リビングへ向かう。
「――――あぁ、あぁ、徹底的に殺れ。
…………その件は、俺が行くから。
…………ん、そっちは任せる。あぁ、そうだな――――――――」
なにやら、恐ろしい話をしている。
「………」
(ど、どうしよう……)
ここにいる夜凪は、本当に同一人物なのだろうか?
恐ろしい雰囲気、冷たい言葉と声色、そして…自身を“俺”と呼んでいる。
つい先程までは、優しくて柔らかくて、甘ささえ感じる程だったのに。
とにかく恐ろしくて、声をかけられない。
かと言って、何も声をかけずに休むなんて出来ない。
すると茉咲の気配を感じたのか、電話をしながら不意に夜凪が振り向いた。
「あ…
――――――!!!?」
一瞬で、夜凪の包む雰囲気が柔らかく甘く変化した。
「…………
茉咲さん、お風呂どうでした?」
通話を切り、微笑み近づいてくる。
「あ…お、お先に失礼しました。
気持ちよかったです……!」
「良かった!
じゃあ…休みましょうね!」
「あ…あの…」
「ん?どうしました?」
「江戸川さんは、まだお仕事ですか?」
「はい。もう少し仕事が残ってますので」
「だったら、何か…夜食とか作りましょうか?」
「………」
「………」
「………ほんと…君は…」
「え…?」
「茉咲さん」
「あ、はい」
「僕に、気を遣わないでください」
「え?」
「僕は君の夫です。
本来、気を遣う必要なんてないんですよ?」
「で、でも…」
茉咲をソファに誘導し、座らせて隣に座った夜凪。
茉咲の手を握った。
「確かに僕は、君を“買った”
でもそれは、建前のようなモノ。
信じられないと思いますが、僕は茉咲さんに心底惚れていて、君を手に入れたくてこのような手段を取ったに過ぎない。
だから君は、僕に気を遣う必要ないし、もっと僕に甘えて良いんですよ?」