愛したがりの若頭と売られた私

妻になった日

夜が明けて、茉咲が目を覚ます。

「………あ…起き、た？」
夜凪の腕枕で、頭を撫でられていた。

「あ…江戸川…さ…」

「フフ…おはようございます！」

「おはようございます…//////」
(わ…/////綺麗…//////)　

思わず見惚れていると、夜凪が額にキスを落とした。
「茉咲さん、すみません。
もう起きて、支度しましょう！
レストランで朝食をとって、まずは婚姻届を出しに行きますよ！」　

「あ…はい……！」
　
着替えて、マンションを出た。
マンション前に車が止まっていて、運転席から男性が出てきた。

「おはようございます！」

「おはよう。
茉咲さん、彼が池治です。
僕の周りによくいると思うので、池治のこともよろしくお願いしますね！」

「はい。
池治さん、初めまして。
よろしくお願いします……！」

「こちらこそ！
よろしくお願いします、茉咲さん！」

爽やかなイケメン。
歳は37歳で夜凪より年下だが、見た目は池治の方が年上に見える。

池治が後部座席のドアを開け、夜凪が茉咲を乗せ自身も隣に乗り込んだ。

昨日いたホテルのレストランに向かう。
そこで二人は、朝食をとることに。

レストラン内の個室で、豪華な朝食。
とても、優雅で贅沢な時間だ。

「………」
(なんか…き、緊張する…)

「このホテルのスイート。
昨日、茉咲さんに来てもらった部屋」

「はい」

「年間契約してるから、ホテルのレストランもいつでも利用できるんです！」

「そうなんですね」
(やっぱ、凄いな…)

「いつでも連れてきてあげるから、来たい時は言ってくださいね！」　

「………」
(住む世界が違う…
私、やっていけるかな…)

茉咲は、向かいに座りスマートに食事をする夜凪を見ながら、そんなことを考えていた。


それからゆっくり朝食を堪能して、役所に行き一緒に婚姻届を提出した。

「フフ…やっと、夫婦になれましたね！」

「夫婦…//////」
(今日から頑張んなきゃ！)
茉咲は、心の中で気合を入れた。

そしてジュエリーショップへ向かい、夜凪が予約していた結婚指輪を受け取った。