愛したがりの若頭と売られた私
車に戻り、早速指輪をつける。

「…………あ…少し大きかったかな…(笑)」

苦笑いの夜凪に、茉咲は「大丈夫ですよ!ブカブカではないし、外れないから」と微笑んだ。

そして夜凪が、茉咲の手を指を絡めて握った。

「茉咲さん」

「はい」

「もう僕達は“夫婦”です」

「はい」

「だから……
………………もう…良いよね?」

そう言って、茉咲の頬に触れ口唇を親指でなぞった。
そして夜凪の顔が近づいてくる。

「あ…ちょ…ちょっとま、待ってくださ…運転席に、池治さんが――――んんっ…!」

奪われるように、夜凪と口唇が重なった。

「ん…言ったよね?
“籍入れたら、キス沢山させて”って。
…………ずっと、この日を待ってたんだ…! 
好き…好きだよ、茉咲…!」 

しばらく夜凪からのキス責めを受け、ランチを挟んで、今度は結婚式場に向かった。

数人の女性達に連れられ、あれよあれよという間にメイクやセット、そしてウエディングドレスに着替えさせられた。

そして、式場へ誘導される。

式場のドアを開けると、沢山の綺麗な花や豪華な飾りに囲まれたバージョンロードが広がっていた。

その先に、夜凪が立って待っている。

「茉咲、おいで?」

両手を広げ微笑む夜凪の所まで、ゆっくり歩いた。

夜凪の横に立つ。
そして、向かい合った。

「茉咲、綺麗だよ/////凄く綺麗…!//////」

「江戸川さ……あ、夜凪さんも凄く綺麗で素敵です……!//////」
(ヤクザさんとは、思えないくらいに…//////)

「フフ…ありがとう!
じゃあ、誓いの言葉言おうか……!
――――――新婦、江戸川 茉咲。
あなたは僕・江戸川 夜凪を、病める時も、健やかなる時も、富める時も、貧しき時も、夫として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」

「はい、誓います/////」

「フフ…茉咲も!」

「はい。
えーと……新郎、江戸川 夜凪。
あなたは私・江戸川 茉咲を病める時も、健やかなる時も、富める時も、貧しき時も、妻として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」

「はい!誓います……!」

そして、夜凪の顔が近づき……


二人は、口づけを交わした―――――――
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