リーチェルの約束
「ユリナ、一人で戦わせてごめんね。私も戦うから!」

ユリナの傷を回復魔法で治し、私は杖を構える。ユリナは「ありがとう」と頷いた後、剣を構える。私たちの目の前にはドラゴンと魔族が冷たい目でこちらを見ている。ユリナは臆することなく走り出し、浮遊魔法を使って浮き上がる。私はユリナに防御魔法をかけた後、遠距離攻撃魔法を放っていく。

ユリナは魔族に向かって剣を何度も振り下ろす。魔族はそれをひらりと交わし、攻撃してくる。それを私が防御魔法で防ぐ。そんなことが数十分続いた。この状況に先に痺れを切らしたのはーーー。

「チッ!こんなことチマチマやっていられるか!!」

魔族の方だった。怒りで顔を歪ませ、魔力をこれでもかと放出させている。これはまずい。私は慌てて浮遊魔法を使い、ユリナの方へと向かう。

「ユリナ!!魔族から離れて!!」

そう叫んだ瞬間、魔族の周りが爆発し始める。ユリナは驚いてその場から動けない。私はユリナを思い切り突き飛ばした。真横で爆発が起こる。私は目を閉じて、爆発の衝撃に耐えようとした。その時だった。

「大丈夫か!?」
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