君のハートにホームラン★

Two sweet

 「はぁ……」


 泣くだけ泣いて教室に戻ってきたあたし。

 でも、教室の中に入りづらくて扉の前で暫くボケッと突っ立ってた。

 目とかまだ赤いし、泣いていたことがバレそうなんだもん。バレたら恥ずかしいし、嫌だ。理由とか聞かれたら、また泣いちゃいそうだし。


 だけど、ずっとこうもしていられない。躊躇する身体にエールを送って、教室の入り口から顔だけ出して中を覗き込んでみた。


 「……」

 予想していた通り、お昼休憩がもうすぐ終わるって時間だし、みんな教室に戻ってきてる。 


 やっぱり戻りづらい。でも、いつまでも入り口に突っ立てるわけにもいかないし。

 授業が始まる前に、さっさと気持ちを切り替えて中に入りますか。

 そう思って自分を励ましながら教室の中に入る。
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