君のハートにホームラン★
「ちょっと~、梨花? あたしはあんたのことを思いやって言ってんだからね?」
「分かってるけど……」
「あたしはもう、あの必殺遊び人にあんたが泣かされるのは見たくないの~」
「うっ……」
「うっ。じゃないし~。 次は何が理由で泣いてたの? ついにキス現場でも目撃した~?」
和美はそんなあたしを見て、呆れたと言わんばかりに深く溜め息を吐いた。
オマケに平然とした顔で不吉なことを言われて背筋が凍る。
ヤメて欲しい。そんなの絶対見たくない。
「み、見るわけないでしょ!」
「じゃあ、何?」
「 ただ、夏のイベントごとは全部パスって言われただけ」
そしてその後、目の前でイチャイチャされただけ……。
「はぁ~? 何それ~? そんなことで泣いてたわけ?」
「うん」
「バカだぁ。そんなのあたし達と一緒に行けばいいじゃん。 ね? 優太」
そう言って和美は笑顔を弾けさせ、優太の肩をポンと叩く。