消えた三日月を探して
 ただ今、午前二時。外は雨。

 もう深夜を通り越し、世に言う丑三つ時。

 今日────正確にはもう昨日だが、色々あり過ぎて眠れなくなっていた。

 それこそ麻都衣を電話で叩き起してやろうかとも思ったが、さすがにそこまではできず、絹花なら起きているかとスマホの画面とにらめっこしていた。

 窓を伝う雨の雫を、ただぼんやりと眺めているだけ。

 明日はどんな顔して久遠に会えばいいのか⋯⋯そればかりが頭を駆け巡る。

 ひとつ確かなことは、今まで通り、ただの幼なじみで良き友ではなくなってしまったこと。

 変化を嫌う私には、それがとても不安で怖かった────。
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