今日、あたしは。
◆
そして25歳の午前9時。
眩しいくらいの快晴の朝。今日は昭太も有給休暇で仕事はお休みだ。
「昭太、起きなよ」
だから今日、あたしは別れを告げることにした。
「あ、うん」
寝起きの良い昭太はあっさりとベッドから起き上がって。
「おはよー。真梨」
いつもの如く、朝から眩しい笑顔をあたしに振り撒いてくる。
昭太の笑顔が子供の頃から大好きだった。
「ほら、早く行かなきゃ」
「そうだな」
勝負好きな昭太が心の底から大好きだった。
「直ぐに着替えて」
「わかった」
きっと、これからも悔しいくらい大好きだと思う。
「じゃあ、行こっか。真梨」
「うん……」
いろいろあった25年間。
やっぱり別れは寂しいけど、もう迷わない。
あたしは、きっぱりと別れる。
この玄関を抜けたら、もうお別れだ。
「待って、昭太……」
「何?」
「婚姻届は?ちゃんと持った?」
今日、あたしは “宮城” に別れを告げて “佐野” になる。
Fin
そして25歳の午前9時。
眩しいくらいの快晴の朝。今日は昭太も有給休暇で仕事はお休みだ。
「昭太、起きなよ」
だから今日、あたしは別れを告げることにした。
「あ、うん」
寝起きの良い昭太はあっさりとベッドから起き上がって。
「おはよー。真梨」
いつもの如く、朝から眩しい笑顔をあたしに振り撒いてくる。
昭太の笑顔が子供の頃から大好きだった。
「ほら、早く行かなきゃ」
「そうだな」
勝負好きな昭太が心の底から大好きだった。
「直ぐに着替えて」
「わかった」
きっと、これからも悔しいくらい大好きだと思う。
「じゃあ、行こっか。真梨」
「うん……」
いろいろあった25年間。
やっぱり別れは寂しいけど、もう迷わない。
あたしは、きっぱりと別れる。
この玄関を抜けたら、もうお別れだ。
「待って、昭太……」
「何?」
「婚姻届は?ちゃんと持った?」
今日、あたしは “宮城” に別れを告げて “佐野” になる。
Fin