砂時計は止まらない
「もう、俺に飽きた?」
事が終わった後。ふと優真が私から身体を離して尋ねてきた。少しだけ首を傾けて切なげな笑みを浮かべながら。
「……なんで?」
正直、どうしてそんなことを聞くのか分からなかった。優真はいつだって大事なことを言わない。
「してる間中ずっと上の空だったから」
寂しそうに言われて慌てて首を横に振る。
「そんなことないよ」
嘘。本当はボーっとしてた。でも、悠真に愛されたいと考えてたとは言えない。こうやって小さな嘘が積み重なっては増えていき、愛や絆は減っていく。こんな関係を望んだのは、取り戻したかっただけなのかも知れない。愛されていた時間を。
「してたくせに」
「違う」
「もういい。お前要らない」
でも、時の流れは残酷に過ぎていく。