光と幽霊の彼女
「おはよー」

 葛飾雅子(かつしかまさこ)が俺こと神城光(かみしろひかる)に乗っかりながら話しかけてくる。正直言ってうざい。

「うるさい」

 そう軽く怒鳴った。幽霊には重さがないが、朝に大声で叫ばれては目覚めが悪い。それに、なんとなくだが、乗っかられるのも嫌なものだ。

「いいじゃん、カップルだもん」
「はあ、いつも変な起こし方するなよ」

 カップルだから良いという事でも無いし。

「いいじゃん、学校に遅れないように起こしてあげたんだから」
「まあそれは感謝するよ」

 今の時刻は七時四十分、確かにそろそろ起きないとやばい時間だ。

「さーて一緒に朝ごはん食べに行きますか」
「お前はもう死んでるから食べれないけどな」

 死人は全てを通り抜けてしまう。壁とかはもちろん、食事や、服、この世のあらゆる物が。ちなみに今の服は亡くなった時の服そのままだ。
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