光と幽霊の彼女
味方は本当に雅子だけだ。
「光もしこの子と遊ばなかったら夕食抜きだからね」
母さんが衝撃的なことを言う。パワハラすぎる。どうして俺に寄り添ってくれないんだ。
「はあ、なんだよそれ」
もしもこれが通ってしまったらそれはもう虐待になる。親の権力をフル活用するな!
「仕方ないじゃない、私は早く新しい人生を送って欲しいのよ」
「分かった、仕方が無い。お小遣いでハンバーガーでも買おう」
部屋から出ようとする。こんな無理なことを言われてもどうしようもない。
「なんでそこまで?」
凛子が聞いてきた。君は黙っててくれ。
「俺はどうしても雅子のことが忘れられねえんだよ。篠宮さんには悪いけど、今は誰とも付き合う気がない」
そう言って俺ドアをバンと閉めて部屋から飛び出す。