光と幽霊の彼女
「はあ、あの子ったら、凛子さんごめんね」
「いえ、構いませんよ。急に家に来た私が悪いんですから」
「でも、私としてもあの子には新しい人生を送ってほしいのよ、もう葛飾さんが亡くなった直後の光はもう大変だったのよ」
恵はソファーに座り、凛子をソファーをトントンと叩いて誘う。実際光は葬儀の場で雅子雅子雅子と叫びまくって周りを困惑させたのだった。恵としてはできるだけ光の思いを汲み取ってあげたかったが、今でもたまに見知らぬ誰かと喋っている以上、もう強硬策に出るしか無い。光を諦めたく無いのだ。
「そうなんですか?」
凛子は一礼して椅子に座る。
「そう、雅子はまだ生きているとか言い出して大変だったのよ」
「それは大変ですね」
「だから凛子さんには光を変えてくれるための起爆剤として期待してたんだけど」
恵はため息をつく。
「ごめんなさい力不足で」
「いえ、謝ることじゃないのよ、あの子が悪いんだから」