光と幽霊の彼女

「……はあ、どうしたらいいんだよ」
「よしよし」

 雅子が俺の頭を撫でる。しかしそれは空を切るだけだった。

「みんなにもお前のことが見えたらいいのにな」

 そう光は呟く。

「仕方ないよ、私はもう死んでるんだから」
「そんなこと言うなよ、俺がお前を生き返らせる方法を考えるからさ」

 そうは言ったが、生き返らせる、それは無理かもしれない。死体はもう焼却されてるわけだし。

 ただ今の状況を変える一手を見つける必要がある。

「……うん」

 雅子が返事をする。

 そして俺はそのまま横になった。ああ、悲しいな。なんで誰も理解してくれないんだろ。そう考えると目から涙が溢れてしまう。

「光よしよし」

 そんな俺を雅子は手を頭に当てて撫でてくれる。感触は残念ながら無いが、それでもありがたい。やはり俺には雅子しかいないなと、そう強く確信した。
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