仙女の花嫁修行
当然、師匠の身の回りの事は弟子がやる事なのだけれど、食事に関しては取り分け、私の役目となった。
3杯目の粥もペロリと平らげてしまったその身体は、食べた分が何処に消えてしまったのかと不思議な程に、無駄な贅肉が付いていない。
まだ他の仙人を見た事がないから分からないけど、大体みんなこんな感じなのかな?
「ああ、そうだ。明日には仙界に行くぞ」
食後のお茶をすする颯懍が、軽い口調で言った。
「ほっ、ほんとですか。うわぁ、緊張する……」
「着いたらとりあえず三清の一人、太上老君の所へ行くつもりだ」
三清と言うのは仙人界のトップ、元始天尊・太上道君・太上老君の御三方のことを指す。
3人のうちの誰かに認められると仙籍に入れられて、道士から晴れて『仙人』と名乗ることが出来るらしい。
「太上老君が師匠の師匠なのですよね」
「そうだ。だからまず最初に挨拶しに行かなければならんのだが……はあぁぁぁぁぁ」
こちらの精気まで抜き取られてしまいそうな程に、ながーいため息をついた。師匠に会うのがそんなに嫌なのだろうか。もしかして、太上老君ってめちゃくちゃ怖くて厳しい御方とか?
これは心してかからねば!
*
翌日になってやって来たのは、昨日打たれていた滝とはまた別の滝。
昨日の昼から移動し始めて、今はもう日が傾いてきているので足がパンパンだ。
「この瀑布の裏が、仙界に続く門となっている」
「ごく普通の滝の裏のようですけれど」
想像していたのと全然違うぞ、と滝の裏側の窪みに颯懍に続いて入って行く。
薄暗いし、水しぶきと苔で地面がヌルヌルして歩いにくい。おっとっとっ、と足を滑らせて、そのまま颯懍を突き飛ばしてしまった。
「いったぁ……って、えっ! うそ、何ここ!?」
3杯目の粥もペロリと平らげてしまったその身体は、食べた分が何処に消えてしまったのかと不思議な程に、無駄な贅肉が付いていない。
まだ他の仙人を見た事がないから分からないけど、大体みんなこんな感じなのかな?
「ああ、そうだ。明日には仙界に行くぞ」
食後のお茶をすする颯懍が、軽い口調で言った。
「ほっ、ほんとですか。うわぁ、緊張する……」
「着いたらとりあえず三清の一人、太上老君の所へ行くつもりだ」
三清と言うのは仙人界のトップ、元始天尊・太上道君・太上老君の御三方のことを指す。
3人のうちの誰かに認められると仙籍に入れられて、道士から晴れて『仙人』と名乗ることが出来るらしい。
「太上老君が師匠の師匠なのですよね」
「そうだ。だからまず最初に挨拶しに行かなければならんのだが……はあぁぁぁぁぁ」
こちらの精気まで抜き取られてしまいそうな程に、ながーいため息をついた。師匠に会うのがそんなに嫌なのだろうか。もしかして、太上老君ってめちゃくちゃ怖くて厳しい御方とか?
これは心してかからねば!
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翌日になってやって来たのは、昨日打たれていた滝とはまた別の滝。
昨日の昼から移動し始めて、今はもう日が傾いてきているので足がパンパンだ。
「この瀑布の裏が、仙界に続く門となっている」
「ごく普通の滝の裏のようですけれど」
想像していたのと全然違うぞ、と滝の裏側の窪みに颯懍に続いて入って行く。
薄暗いし、水しぶきと苔で地面がヌルヌルして歩いにくい。おっとっとっ、と足を滑らせて、そのまま颯懍を突き飛ばしてしまった。
「いったぁ……って、えっ! うそ、何ここ!?」