仙女の花嫁修行
「ほう、颯懍の弟子に。それなら明明よ、そちからも誰か娶るよう言ってやってくれ。弟子としても、師匠が真人になってくれた方が嬉しいじゃろう?」
「え? ええ……それは」
もちろん。と言いかけたところで颯懍が割って入ってきた。しかも、意味不明なセリフで。
「明明が嫁候補です!!!」
「は?」
突拍子もなさ過ぎる内容にあんぐりと口を開けて視線を移せば、背中をギュッと抓られた。
なななななに?!
「明明は俺好みなんです。まだ道士ですから結婚は出来ませんが、仙籍に入ったら行く行くは、と思っております」
はあぁぁぁぁぁ?!
「なんと、そうであったか。弟子を嫁に……。まああまり勧められる方法では無いが、禁じられておる訳でもなし。もちろん明明も了承しておるのじゃろ?」
了承どころか、そんな話しは一言も聞いてませんけど!
意義を申し立てる前に、背中を更に強く抓られた。颯懍からは「合わせろ」とでも言いたげな目線が送られてくる。
「はっ、はい!! 勿論です!」
「そーか、そーか! 相思相愛ならば儂も言う事なしじゃ。確かに儂がこれまで選んだ女仙とは、ちと嗜好が違ったようじゃな。ふむ、颯懍はこの様な女性がタイプであったか。いや、なに、400年も待ったのだ。そちが仙女になるまでの時間など、これまでの時に比べれば大した長さでも無い」
「は、はぁ」
「明明よ、颯懍の為にも頑張って修行に励むのだぞ? こりゃあ俗世で言う花嫁修業……いや、『花嫁修行』じゃな!! ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ!」
笑いながらバシバシと背中を叩いてくる老君と、ははははと空笑いしている颯懍。
「あははははは、冗談がお上手で」
まさかの展開に、私も一緒に笑うしかないでしょ、これは。
「え? ええ……それは」
もちろん。と言いかけたところで颯懍が割って入ってきた。しかも、意味不明なセリフで。
「明明が嫁候補です!!!」
「は?」
突拍子もなさ過ぎる内容にあんぐりと口を開けて視線を移せば、背中をギュッと抓られた。
なななななに?!
「明明は俺好みなんです。まだ道士ですから結婚は出来ませんが、仙籍に入ったら行く行くは、と思っております」
はあぁぁぁぁぁ?!
「なんと、そうであったか。弟子を嫁に……。まああまり勧められる方法では無いが、禁じられておる訳でもなし。もちろん明明も了承しておるのじゃろ?」
了承どころか、そんな話しは一言も聞いてませんけど!
意義を申し立てる前に、背中を更に強く抓られた。颯懍からは「合わせろ」とでも言いたげな目線が送られてくる。
「はっ、はい!! 勿論です!」
「そーか、そーか! 相思相愛ならば儂も言う事なしじゃ。確かに儂がこれまで選んだ女仙とは、ちと嗜好が違ったようじゃな。ふむ、颯懍はこの様な女性がタイプであったか。いや、なに、400年も待ったのだ。そちが仙女になるまでの時間など、これまでの時に比べれば大した長さでも無い」
「は、はぁ」
「明明よ、颯懍の為にも頑張って修行に励むのだぞ? こりゃあ俗世で言う花嫁修業……いや、『花嫁修行』じゃな!! ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ!」
笑いながらバシバシと背中を叩いてくる老君と、ははははと空笑いしている颯懍。
「あははははは、冗談がお上手で」
まさかの展開に、私も一緒に笑うしかないでしょ、これは。