仙女の花嫁修行
「俺が道士になるなるよりずっと以前は、仙界に結婚という制度は無かった。男と女は互いに足りない物を補うために、欲望のまま随分とやりたい放題だったらしい」
うわぁ、それは何となく想像がつく。
だって結婚制度のある俗世だって、ふしだらな人はいるのだから。決まりが無いのなら尚更じゃないだろうか。
「快楽に溺れ堕落していく仙人達を、三清は憂いた。そこで取り入れたのが結婚と言う制度だ。俗世では一夫多妻制だが、仙人の世界は男が女を養うなんて考えは無いからな。だから一夫一婦制」
仙界では肉体的な力こそ男の方が強いけれど、神通力の強さや階級は男女関係ない。
父親が絶対、つまり男が絶対的な存在という俗世の常識しか無かった私には、かなりカルチャーショックを受けた。まあその代わりに、師匠が絶対的存在な訳だけど。
「だから結婚して足りない分の陰の気を補えと、大師匠は仰っていたのですね」
「必ず結婚しなければ交わってはいけない訳では無いし、現に、結婚しないでフラフラとしている者も居る」
「なるほど、ここまではよく分かりました。でも、何で師匠は結婚はおろか、その……房中術をなさらないのですか? 大師匠の話しからするに、仙術の腕や善行の数は既に真人レベルで、後はパワー不足なだけと言っているように聞こえましたが」
道士から仙人になる時と同じように、仙人の階級は三清が決める。どうやって決めるのかと言えば、神通力がどれくらい使えるかと言う『強さ』と、あとはどのくらい『善行』を積んだか。
善行は一概に数で推し量れるもので無く、人数や、その人がどの程度困っていたのか、どうやって助けたか、など量と質で変わってくるらしい。また悪行をすれば当然、これまで積み重ねてきた善行は相殺されてしまう。
『強さ』と『善行』で、仙人の位は決まるのだ。
これまでの話しの流れで行くと、多分颯懍は房中術を日頃からしていないから、パワー不足と言う事だろう。
陰の気がすぐに不足してしまうせいで真人になれないのなら、どこぞの仙女とさっさと寝てしまえばいいのに。老君の言っていた通り、颯懍の見てくれなら希望者が殺到するのは間違いない。
うわぁ、それは何となく想像がつく。
だって結婚制度のある俗世だって、ふしだらな人はいるのだから。決まりが無いのなら尚更じゃないだろうか。
「快楽に溺れ堕落していく仙人達を、三清は憂いた。そこで取り入れたのが結婚と言う制度だ。俗世では一夫多妻制だが、仙人の世界は男が女を養うなんて考えは無いからな。だから一夫一婦制」
仙界では肉体的な力こそ男の方が強いけれど、神通力の強さや階級は男女関係ない。
父親が絶対、つまり男が絶対的な存在という俗世の常識しか無かった私には、かなりカルチャーショックを受けた。まあその代わりに、師匠が絶対的存在な訳だけど。
「だから結婚して足りない分の陰の気を補えと、大師匠は仰っていたのですね」
「必ず結婚しなければ交わってはいけない訳では無いし、現に、結婚しないでフラフラとしている者も居る」
「なるほど、ここまではよく分かりました。でも、何で師匠は結婚はおろか、その……房中術をなさらないのですか? 大師匠の話しからするに、仙術の腕や善行の数は既に真人レベルで、後はパワー不足なだけと言っているように聞こえましたが」
道士から仙人になる時と同じように、仙人の階級は三清が決める。どうやって決めるのかと言えば、神通力がどれくらい使えるかと言う『強さ』と、あとはどのくらい『善行』を積んだか。
善行は一概に数で推し量れるもので無く、人数や、その人がどの程度困っていたのか、どうやって助けたか、など量と質で変わってくるらしい。また悪行をすれば当然、これまで積み重ねてきた善行は相殺されてしまう。
『強さ』と『善行』で、仙人の位は決まるのだ。
これまでの話しの流れで行くと、多分颯懍は房中術を日頃からしていないから、パワー不足と言う事だろう。
陰の気がすぐに不足してしまうせいで真人になれないのなら、どこぞの仙女とさっさと寝てしまえばいいのに。老君の言っていた通り、颯懍の見てくれなら希望者が殺到するのは間違いない。