輝く樹木

第1章 第45話

 夜空から降り注いでくる星の光に輝夫は照らされていた。数秒前左側の木の幹にあった水色の光の点はもうなかった。数秒間がとてつもなく長い時間であったような不思議な感覚が体に残っていた。
 輝夫はベッドに横になったままじっと天井を見つめていた。遮光カーテンとレースのカーテンを全開したままの窓から星の光が流れ込んできた。部屋の壁が星の光を浴びて純白の光を反射させていた。部屋中に純白の光が溢れていた。純白の光る粒がお互いにぶつかり合って、様々な色に変化していった。天井には様々な色の光の粒が織りなす映像が映し出されていた。その映像を見ながら輝夫は瞼に心地よい重さを感じた。
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