輝く樹木
第1章 第5話
突然、輝夫の周りが暗くなった。暗闇の中で少しずつ体が浮き上がって行った。暗闇は上空から降り注ぐ純白の光によって消えて行った。宙に浮き上がっている感じであった輝夫の足元がいつの間にか懐かしい香りのする地面を踏みしめていた。輝夫は三本並んでいる中の真ん中の木の前に立っていた。幹のところで茶色に輝いている部分があった木は、輝いてはいなかった。輝夫の前には、何ら変わったところのない木が立っていた。
部屋に戻ると、輝夫は部屋の電気を消して窓越しに外を見た。曇っていた空は晴れ上がって,夥しい数の星と三日月が輝いていた。星と三日月が浴びせる光によって、前庭が薄明かりの中に浮かんできた。三本の木がぼやけた輪郭を薄明かりの中に浮かびあがらせていた。そよ風の中で木の葉が微かに揺れて、木の葉の擦れる音を風に載せて輝夫の耳元まで運んできた。
輝夫はベッドに横たわって天井を見つめていた。カーテンを開けたままにしておいた窓から、月と星の柔らかな明かりが注ぎ込まれていた。電気を点けていない輝夫の部屋は月と星の明かりに照らされて微妙な色を帯びた薄暗さの中にあった。開けきった遮光カーテンの背後には、最後まで開けきってなかったレースのカーテンがあった。月明かりと星の輝きがレースのカーテンを通りながら、天井に影の模様を浮かび上がらせていた。天井に映し出された影の模様を見つめながら、輝夫は冥王星の写真に映った表面の影模様を連想した。
瞼を閉じると、あの夢とも何とも言えぬ不思議な映像が飛び込んできた。今まで経験したことのない不思議な出来事に思いを巡らしている間、輝夫は深い眠りに沈んでいった。
窓から入り込んできた太陽の純白の光が部屋全体を照らしていた。輝夫の部屋の中にあるすべてのものは、そのものが持つ独自の色を反射させていた。太陽の光の純白の粒と輝夫の部屋の中にあるすべてのものが、反射させている様々の色の粒が部屋中を飛び交って輝いている。その輝きが輝夫の閉じられた瞼を通して朝の到来を知らせていた。強烈な光が瞼の裏にある闇を消し去った。
深い眠りから目覚めて、瞼を開こうとするといきなり眩しい白い光が飛び込んできた。薄目のままベッドから立ち上がり窓際の方へ歩いていった。太陽の眩しい白い光に慣れて瞼を大きく開くと、前庭の景色が輝夫の目に飛び込んできた。塀のない前庭の道路沿いに立っている三本の木の葉が、鮮やかな緑の光を反射させていた。
吸い寄せられるように輝夫は階段を降りていった。ホールを歩いていく時、ダイニングキッチンで萌子が朝食の支度をしていた。真樹夫はテーブルの椅子に座って新聞を読んでいた。
三本の木の中の真ん中の木の前に立った輝夫は、その木の幹の茶色く輝いていた部分をじっと見つめていた。輝夫はその木の間近まで近づいていった。目を近づけてじっと見つめていた。輝夫の目に映っているのは何の変哲もない普通の木の幹であった。右手を開いて、木の幹の茶色に輝いている部分に押し当てた。手のひらから伝わる感触は輝夫が今まで木の幹に触れた時に感じた感触と何ら変わりなかった。
部屋に戻ると、輝夫は部屋の電気を消して窓越しに外を見た。曇っていた空は晴れ上がって,夥しい数の星と三日月が輝いていた。星と三日月が浴びせる光によって、前庭が薄明かりの中に浮かんできた。三本の木がぼやけた輪郭を薄明かりの中に浮かびあがらせていた。そよ風の中で木の葉が微かに揺れて、木の葉の擦れる音を風に載せて輝夫の耳元まで運んできた。
輝夫はベッドに横たわって天井を見つめていた。カーテンを開けたままにしておいた窓から、月と星の柔らかな明かりが注ぎ込まれていた。電気を点けていない輝夫の部屋は月と星の明かりに照らされて微妙な色を帯びた薄暗さの中にあった。開けきった遮光カーテンの背後には、最後まで開けきってなかったレースのカーテンがあった。月明かりと星の輝きがレースのカーテンを通りながら、天井に影の模様を浮かび上がらせていた。天井に映し出された影の模様を見つめながら、輝夫は冥王星の写真に映った表面の影模様を連想した。
瞼を閉じると、あの夢とも何とも言えぬ不思議な映像が飛び込んできた。今まで経験したことのない不思議な出来事に思いを巡らしている間、輝夫は深い眠りに沈んでいった。
窓から入り込んできた太陽の純白の光が部屋全体を照らしていた。輝夫の部屋の中にあるすべてのものは、そのものが持つ独自の色を反射させていた。太陽の光の純白の粒と輝夫の部屋の中にあるすべてのものが、反射させている様々の色の粒が部屋中を飛び交って輝いている。その輝きが輝夫の閉じられた瞼を通して朝の到来を知らせていた。強烈な光が瞼の裏にある闇を消し去った。
深い眠りから目覚めて、瞼を開こうとするといきなり眩しい白い光が飛び込んできた。薄目のままベッドから立ち上がり窓際の方へ歩いていった。太陽の眩しい白い光に慣れて瞼を大きく開くと、前庭の景色が輝夫の目に飛び込んできた。塀のない前庭の道路沿いに立っている三本の木の葉が、鮮やかな緑の光を反射させていた。
吸い寄せられるように輝夫は階段を降りていった。ホールを歩いていく時、ダイニングキッチンで萌子が朝食の支度をしていた。真樹夫はテーブルの椅子に座って新聞を読んでいた。
三本の木の中の真ん中の木の前に立った輝夫は、その木の幹の茶色く輝いていた部分をじっと見つめていた。輝夫はその木の間近まで近づいていった。目を近づけてじっと見つめていた。輝夫の目に映っているのは何の変哲もない普通の木の幹であった。右手を開いて、木の幹の茶色に輝いている部分に押し当てた。手のひらから伝わる感触は輝夫が今まで木の幹に触れた時に感じた感触と何ら変わりなかった。