輝く樹木
第2章 第7話
朝のショートホームルームの時間、悠人は鞄の中からメモ帳をそっと取り出した。メモ帳の中にはクラスの生徒全員の名前が書いてあった。朝のショートホームルームの時間に担任教師に教材費が入った封筒を提出することになっていた。提出期間は一週間ほどあった。その期間中毎日何人かの生徒が封筒を担任教師に提出した。悠人は毎日提出した生徒に斜線を引いて消していった。今日は提出期限最終日の前日であった。5名の生徒が担任教師に封筒を提出した。悠人は5名の生徒の名前を、斜線を引いて消した。残った生徒名は悠人を入れて3名だけになった。悠人以外の2名の生徒は生島守と笹川武瑠であった。昼休みの時間悠人は彼等のことが気になって見ていると、彼等二人が話しているのが見えた。悠人は彼等の方へ近づいて行った。
「君たちは友だちだったの?」悠人が彼等に向かって言った。
「僕らは小学校が同じで、クラスも一緒だったんだ」守が言った。
「それじゃ小学校からの友だちどうしなんだね?」悠人が言った。
「そうだね」武瑠が言った。
しばらく間を置いてから悠人が言った。
「君たちはもう教材費納めた?」
「父親が事故に遭って今入院しているんだ。それで期限までに納めるのは無理かも知れない」守が言った。
「僕のところも父親が会社を辞めるみたいで大変そうなんだ。明日納めるのは無理かも知れない」武瑠が言った。
「僕のところはシングルマザーで、子供が僕を含めて4人なんだ。父親が仕事中に事故で亡くなったんだ。母親がパートの掛け持ちで家計のやり繰りが大変なんだ。明日納めるのは無理かもしれない」悠人が言った。
「君たちは友だちだったの?」悠人が彼等に向かって言った。
「僕らは小学校が同じで、クラスも一緒だったんだ」守が言った。
「それじゃ小学校からの友だちどうしなんだね?」悠人が言った。
「そうだね」武瑠が言った。
しばらく間を置いてから悠人が言った。
「君たちはもう教材費納めた?」
「父親が事故に遭って今入院しているんだ。それで期限までに納めるのは無理かも知れない」守が言った。
「僕のところも父親が会社を辞めるみたいで大変そうなんだ。明日納めるのは無理かも知れない」武瑠が言った。
「僕のところはシングルマザーで、子供が僕を含めて4人なんだ。父親が仕事中に事故で亡くなったんだ。母親がパートの掛け持ちで家計のやり繰りが大変なんだ。明日納めるのは無理かもしれない」悠人が言った。